バイリンガルとは何か?複数言語を操る脳内に迫る!

 

国際社会の今、義務教育で身につける英語や独学で始める他言語など、日本語以外の言語を使用することのできる人は少なくない。そういった複数言語を嗜む人をバイリンガル、またはマルチリンガルと呼ぶが、その類に当てはまるようでそのレーベルを自ら使用しない人がいるのも事実である。そもそもバイリンガルになるとは一体どういうことだろうか。バイリンガルになるための基準やどのような思考回路でいるのかなど、実際は謎だらけだろう。

基準で言うならば、「(後に身につけたかは問わず)複数言語で同等にコミュニケーションをこなすことができるか」、または「複数言語の文法や発音を完璧にこなすことができるか」という二つの意見がある。しかしそれは学術的にも厳密な定義はなく、むしろバイリンガルとは0か100の二分したコンセプトではなく、度合いの問題である。その判断材料とは、個人がどう感じるか、といったところである。

言語とはそもそも流動的な概念である。私たちの想像を形にするため発せられるが、それ以外は頭の中に蓄積されているだけだ。そしてアウトプットするという点で、言語は感情と文化に深く関わっている。それゆえ多言語を幼少時代から使用する人でも、言語が根付く文化で育たないと自身をバイリンガルと呼ばないこともある。一方で、文化的背景は置いておいて、複数言語を自己表現に使えるようになると自身をバイリンガルと見なす人もいる。

前述のようにバイリンガルとは抽象的な形容詞であり、学術的定義はないのだが、ここではバイリンガルを「幼少の頃から多言語を使って育ち、どちらを使用するにも苦がない人」のことを指すことにしよう。そこで、バイリンガルの人々の脳にはどのような思考が巡っているのかを解明していきたい。

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