奥深い!歌詞の翻訳

 

 

こんにちは!ホームリンガルティーチャーのマコです!

 

今回は、洋画に登場してくる曲について、言語の観点からお話していきたいと思います。

少しマニアックなテーマではあるのですが、とっても奥深く私は大好きなテーマなんです。

 

 

[最初に]

 

皆さまは翻訳された歌詞というものをご存じでしょうか。意識したことはなくとも、映画などで聞いたことはあるかもしれません。例えば「アナと雪の女王」の主題歌であるLet it Goも翻訳された歌詞を使用しています。あまり注目されるものではありませんが、とても奥が深く、考えて楽しいテーマです。

 

 

[洋画の曲]

 

次に洋画で流れる曲についてです。そもそも、曲を訳すときには元の歌詞を訳す必要がありますが、それ以上にメロディーに合わせる、韻を踏む、映画のストーリーに合わせるなどと配慮しなければならないことがたくさんあります。そのため、普通の翻訳とは異なり、様々な側面を考慮して訳す技術が必要となります。

 

個人的にはディズニー映画に出てくる歌詞のクオリティーは非常に高いと思います!最初にも出てきましたが、全国ヒットを成したLet it Goは様々な言語に訳されています。

 

 

例えば、Let it Goは日本語で「ありのままで」と訳されています。しかし英語での元の意味としては「自由にする」、「今まで捕えていたものを放す」など以外に、「他人の(嫌な)行動に対し、反応するのをやめる」もあります。英語での一つの解釈としてこの曲はエルサが今までコンプレックスと感じていた個性(魔法)を隠し続けるのをやめ、「ありのままの姿」で生きることを決めたと考えられています。そのため、日本語訳にする際も「自由になる」といった抽象的な言葉ではなく、「ありのままで」とエルサの意思を明確にするような言葉を選んだのかと思います。

 

 

余談ではありますが、Let it Goは25か国語で歌われているバージョンもあります。(気になる方はLet it Go 25 languagesで検索してみてください!)もちろん多言語に訳された歌詞を理解することはできませんが、どの言語においても歌詞がメロディーに沿っていると言う事は感じられると思います。

 

 

[言語の話]

 

少しだけ言語の話をすると、英語から日本語へ歌詞を訳すのはとても大変な仕事だと思います。主な理由が語順の違いです。日本語は:主語、目的語、動詞の順に話すのに対し、英語は:主語、動詞、目的語の順が主流です。これにより、訳す際にも気を付けなければ変にストーリーをネタ晴らししてしまう事もあります。

 

曲ではありませんが一例として、「犯人は…鈴木君だ!」という文を訳すとき “Suzuki…is the culprit!”と訳すのは文法的には間違っていませんが、映画のストーリーからすると文の初めに犯人の名前が出てきてしまっているため、セリフの緊張感を味わうことができません。そのため、 “It was you…Suzuki”など語順を合わせながらも違和感のないような文に訳す必要があります。

 

他にも、日本語では主語を省略することが多いなどと言語における違いはたくさんあります。

 

 

[最後に]

 

今回のお話いかがでしたでしょうか。普段とは違った考え方をすることで洋画をより楽しむことができると思います!

 

 

 

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