日英バイリンガルが読み解く映画の日本語字幕

 

みなさんこんにちは。ホームリンガルティーチャーのリホです。

 

今回のブログは映画についてです。私は洋画、邦画問わず時間がある時はいつもみています。映画を見ていて、バイリンガルでよかったなー!と思うことがしばしあります。

 

簡単に言うと、その理由は字幕を見なくても良い。という点です。

 

かなり長いセリフでも人間の読めるスピードなどが考慮されているため、字幕だと伝えきれず、ニュアンスだけ翻訳されているケースが多いと感じています。また、キャラクターそれぞれの特徴や性格を考え決められたセリフですが、それを全部翻訳するのは難しいみたいです。

 

 

例えば、個人的に大ファンであるBack to the Future バックトゥザ・フューチャーで主人公のマーティーがタイムリープし、いじめっ子番長のビフと初対面する有名シーンがあります。ここでビフはマーティーに “what are you looking at butthead?” 何見てんだよマヌケ?(buttheadはケツ頭と直訳できるので、マヌケやアホという意味)とかなりバカにするような、挑発的なセリフを言っていますが、字幕では”文句あっか?”とだけ訳されています。実際には文句あるのか!と聞いてるだけでなくビフはもっと性格が悪くマーティーの存在自体も直接バカにしています。

 

映像では背の高いビフが座っているマーティーを上から睨み付けるように言っているので全てを訳さなくてもビフの番長っぷりや怖さが理解できるという理由があり、そのように翻訳されたのかもしれません。しかし、実際はもっと直接的にひどいことを言ってしまうのがビフであり、ネイティブスピーカーはビフ性格の悪さをすぐに認識することができます。

 

 

また、ネイティブでもわけわかんない!というようなオタクにしかわからないセリフや内容が豊富で、特徴的なクエンティン・タランティーノ監督の映画ではしばし、日本語字幕視聴者にわかりやすくニュアンスだけを訳しているシーンもあります。例えばタランティーノ監督最新作である、Once Upon a Time in Hollywood ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドは1960、1970,年代のハリウッドオタクが好きな、かなりコアなネタが数え切れないほど散りばめられており、映画の良さになっています。その中の名シーンで登場人物の女優シャロンテートが自分自身が出演している映画を見にいくシーンがあります。ここで彼女はチケット販売員にこれ私なのと伝えるシーンがありますが、この役柄を説明するセリフで”I play Miss Karlson, the klutz”と言っていますが字幕は“ドジっ子娘フレアの役よ”と訳されています。Miss Karlsonどこいった?と考えてしまいます。ちょっと難しいから何度も見る、そして見ていくうちに新しい発見がありハマっていくのがタランティーノ作品の良さの1つでもあるので、わかりやすくしすぎてもいけないと思ってしまうのです。

 

 

このように字幕だけ読んでいた場合、特定の登場人物のセリフの面白さや言葉選びがわからないままです。英語が話せることによって気づく違和感もいっぱいあります!ぜひこれを機に好きな映画を見直してみてください、新しい発見があるかもしれません。

 

 

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